第2章 狙われている!

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哲郎と小枝子、ムラタの乗った車は… 渋谷から首都高速~中央道~圏央道と乗り継いで 青梅市から30キロ離れた奥多摩湖まで逃れてきた。 「取り敢えず…今晩は、この辺りで泊まろうか…。」 ビジネスホテルでシングルルームを3つ取って、 「後で遊びにおいで…。 一人にしとけないしね。」 小枝子には そう言って、ムラタとも別れた。 「車は見えないように車庫に入れときますよ。」 「了解!」 小枝子を一人にしておけないので、 さっそく小枝子の部屋を訪ねた。 「豪華な部屋も良いけど……このギャップが堪らないわ…。」 小枝子の部屋は安ホテルを古くしたような作りで 壁紙が汚れてしまっている。 「じゃあ……コッチの部屋へ来なよ…。 豪華な訳でも…綺麗な訳でも無いけど… 少しはマシだわ…。」 「ああ…壁紙の汚れ具合が少しマシだね…。」 その時、哲郎の携帯に父からの着信があった。 『ああ父さん……うん、何か狙われるような事って思い当たる? うん……母さんの方かな? ああ……了解。 気を付けるよ…。  相手が分からないんじゃ打つ手が無いからね。 うん……じゃあね……。』 「ねえ……やっぱり…狙われてるのは…私かなあ?」 「その美貌ゆえに…?」 「ううん…黙ってたんだけど… 10日くらい前に…落とし物を拾ったの…。」 「どんな物なの…?」 「何かの部品みたいなんだけど… ほら…これなんだ…」 哲郎は小枝子の取り出したモノをよく見てみた。 「あ~☆ マイクロSDカードだな☆ 何かのデータ、画像、動画が記録されてるかもな。」
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