第1章 災難の中での出会い

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哲郎は念のため、病院で24時間の検査入院をしたが、脳のCTもレントゲンも額周りのエコーも異常なく、次の日には退院の運びとなった。 哲郎の両親は仕事が忙しく、父はニューヨーク、母はパリと、とても哲郎の退院に付き添う時間は取れなかった。 今回の事故で親しくなった髙円小枝子ちゃんに その事を話すと…… 「じゃあ…私が家族の代理という事で付き添います。」 と言ってくれた。 病院を退院する時に記入する書類にはゼネコンの現場監督が予め署名捺印しており、 退院時の付き添い人には 《髙円小枝子……義妹》と書いた…。 [【髙円小枝子……義妹】かあ……こんな可愛い妹なら良いなあ、彼女なら なお良いけど…。] と思ったりした。  「小枝子ちゃん、学校のほうは大丈夫なの?」 平日の昼間から、退院とはいえ、高校生に付き合わせるのは申し訳無かった。 「うん、日頃からモデルの仕事なんかで学校を休む事もあるから、今日も撮影の仕事って事にしといたわ。」 「さすが…スーパーモデルは違うわ…。」 「ええ~☆スーパーモデルじゃないから…。」 そう言いながらも満更では無いようだった。
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