雪椿

1/1
前へ
/33ページ
次へ

雪椿

「雪椿」という名の万年筆を持っている。 白の軸に、赤い椿の色をしたラメが散らしてある軸が、とても綺麗で気に入っています。 この軸には、ラメの色に合わせた花の名前を持ったインクを入れています。使うたびに、なんて色っぽい万年筆なんだろうとドキドキします。 透明感がある白い肌に赤い唇。黒く艶やかで長い髪。意志の強そうな瞳と穏やかに微笑む口元で佇む凛とした立ち姿。そんな女性が思い浮かびます。所作も美しく天性の品を備えていて控えめなのに、殿方たちは、彼女は自分に気があるのではとぽーっとしてしまう。 こんな女性が出てくるお話だったら、どんなお話が良いでしょう? 多くの殿方を放浪しつつも、とても一途に一人の男性に尽くすお話? ひらりひらりと殿方たちを弄びながら、我が道を歩むお話? 今度何か考えてみようかしら。 物語が見えてくるモノって、使っていても楽しい気分になるので心が潤います。デジタルガジェットも大好きなんですが(w)アナログの手のかかるモノも使うたびに面倒を見てあげないといけないところが、だんだんと愛おしくなってきますよね。 もう、東京では梅の花びらが散り始めているので、「雪椿」というにちょっと遅いかしら? adf02f6a-363e-4685-9964-4e284969e09c
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加