3.湿

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父への本日の仕事の報告を終えると、恭介は食事の準備のされた部屋へと向かった。 テーブルには和食の料理が小鉢に入れられてお行儀良くに並べられていた。 椅子に座り、手を合わせ「 頂きます 」を言うと恭介は箸を取りご飯を食べだした。 「今日のご飯は如何でございましょう?」 恭介の母親は手に薄い本のような物を持ちながら恭介に問うた。 「 うん、今日も美味しいですよ 」 「それはようございました。」 それを聞くと彼に手に持っていた物を差し出した。 「 ? 」 恭介は箸を置き、それを受け取る。 「こちら、お見合い写真でございます。 瑛二(えいじ)叔父から、“そろそろ結婚と言うのを視野に入れて行動してみてもよいのでは?”とのことでございますよ。 恭介さん如何します? お受け致しますか?」 瑛二叔父とは、瑠璃子(母親)の兄である。 恭介が幼き頃に 女の中に男が一人、居るのは楽しくなかろうと時々遊びに来てくれた人でる。 瑛二叔父の職業が医者であり、恭介に将来の夢を与えてくれた人であった。 (瑛二叔父さんの考えか…)
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