僕と魔女の秘密のお茶会

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ある朝、朝食を食べ終えた百合子さんが、カレンダーを見ながら言った。 「俊輔、再来週の水曜日の三時頃、お茶会でもしようか」 僕の伯母は百合子さんと言って、見た目がすごく若い。 僕の母の姉のはずなので、五十才は越えていないと計算が合わないのだけれど、誰が見ても二十歳くらいの女の人に見える。その事を言うと、 「やるじゃないか俊輔。女性にそんなお世辞が言えるようになるなんて、もう一人前だ。さあ、一人前の大人らしく、夕飯で使った食器を洗いたまえ」 なんて言ってごまかしてくる。 いつもジーンズに黒のタートルネックを着ていて、大きな黒縁の眼鏡は、顔にちょっとサイズが合っていない。 長い黒髪を、一本の三つ編みにしていて、たまに毛先を眺めたりするのが癖だ。
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