102人が本棚に入れています
本棚に追加
/156ページ
4.課題の終わり
時間は止まらない。
いつかは日が落ちてやがては登る。
「学校かぁ……」
朝から授業を考えると全く気分が良くないというのは私だけではないはず。
「ゆず~~朝ごはん~~」
「今いく~~」
いつもと変わらない日常。
唯一変わったとすれば、部活が楽しみに思っている自分がどこかにいること。
「はぁ……」
ただ、やはり学校の授業を考えると朝から嫌に思う。
「柚梨、今日一時間目はなんだっけ」
「たしか……数Ⅰだったような気がするよ」
「あ、教科書持ってたっけな」
華蓮との朝、歩きながら背負った荷物を手に持ちかえて中を手探りで探る。
「なーーい」
「取りに帰る?私はこのまま行くけどね」
「ん~~、めんどくさいからいいや。なんとかなるっしょ。ノート取ればいいや」
「そういってノート取ってること見たことないような」
「え……そっ、そうかな」
私が見ている範囲では中学と高校生活始まってから華蓮の授業態度は……。
「ふぅ~~……」
「やっぱり」
今日も今日とて、寝ていた。
ノート取るなんて表向きはそうだが、実際はなにもしていない。高校生活始まってすぐであれば緊張して嫌でも集中するはず。
もちろん私は違うけれど。
しかし最低限のノートは取り、蛍光ペンを駆使して真面目に勉強している風にしている。
「大胆だなぁ」
大胆というのは逆にいいのかもしれない。
実際に先生から何も言われていないし、どさくさに紛れてのようになっているのか。
いつかは見つかって怒られるのだろうが。
そういえば中学時代の担当の先生が面白い話をしてくれた。
それは授業中眠いのであればシャーペンを逆さに目の前に立てておいて、眠気に耐えられなくて頭が下がったときに額に刺さっておくようにしておけば嫌でも寝ないんじゃないか。
なんてもちろん冗談半分なのだろうが、堂々と「私はあなたの話は聞きません」というように開始すぐに机に伏せているよりはいいのではないかと思うのだ。
昼休み、最後の一時間となんだかんだで時間は過ぎて行く。
最初のコメントを投稿しよう!