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彰浩がいう「サチコ」というのは、俺が高校で３年間同じクラスだった女子だ。
出席番号が前後で並んでいた因果もあってか、割と話す機会が多かった。
そして俺は、彼女のことが好きだった。
いつも明るくて元気で、誰とでも分け隔てなく仲の良かった人気者。
それだけが理由ではない。
一生懸命で自分の気持ちに素直な彼女の姿に、強く惹かれたのだ。
しかし俺は自分の気持ちを伝えることのないまま、彼女とは卒業以来会っていない。
それだけなら、淡い初恋の思い出で片付けられたのだが、ただ俺にはひとつだけ心に引っかかっていることがあった。
それは、卒業式の日に、隣に座っていた彼女が不意に口にした言葉。
何故彼女は、あんな事を口にしたのだろう……。
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