12年越しの告白

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. 暫くして可児君がコンビニへ煙草を買いに行っている間、夏野さんと二人きりになった。 別に気まずい雰囲気とかではないけれど、ムードメーカーである可児君が居ないだけで、急に部屋が静かに感じられる。 何を話そうかな、と考えていると、先に口を開いたのは彼女の方だった。 「もし良かったら、今度の週末に横浜にピカソ展……一緒に見に行きませんか?」 「え?」 「知り合いから前売券頂いて、それで……さっき美術館の話になった時、来週いっぱいで終了すること、思い出したんです。」 俺の趣味を知って、気を遣って誘ってくれたのかもしれない。 とても有り難い話だが、その日は先約はある。 「ごめん、来週は予定があるんだ。」 彰浩から誘われた同窓会。 いつもスルーしていたから、たまには参加して顔を立ててやらないと……。 すると、彼女は遠慮がちに訊いてくる。 「もしかして……彼女と、デートですか?」 「違うよ、高校の同窓会。それに俺、こっちに戻ってきたばかりだし、デートする相手なんて居ないよ。」 「そう、なんですね……分かりました。あ、そろそろ私、時間なんで帰りますね。」 休憩を始めて1時間が経とうとしている。 俺の方も、そろそろ作業を再開する頃合いだ。 「可児君にも宜しく言っておいて下さい。」 「分かったよ。今日は、来てくれてありがとう。明日から宜しくね。」 .
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