12年越しの告白

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. 玄関付近まで彼女に付き添い、そのまま階段を降りていく姿を見送った。 その後、僅か1分も経たないうちに、入れ違いで可児君が戻ってくる。 「今、夏野さん帰ったところだよ。」 「下で会いましたよ。なんか嬉しそうだったけど、何かあったんですか?」 「いや?何もないけど……」 今から、楽しみにしている予定でもあるのだろう。 詳しくは知らないが。 充分に休憩をしたところで、残りの作業に取り掛かる。 引き続き配線と格闘している可児君が、不意におかしなことを訊いてきた。 「夏野さんとは訳ありですか?」 「訳ありって?」 「男女の仲だとか。」 「いや、全然。昔、一緒に仕事しただけだよ。」 夏野さんと仕事をしていた時は、前の彼女と付き合っていた。 可児君の的外れな勘繰りは、必死に否定する価値もない。 「でも、向こうは案外……そう思っていないかもしれないですよ。」 「え?何か言った?」 「いや、こっちの話です。さ、早く残り片付けましょう!」 .
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