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「そっちかよ!」
「え?だって、気になるだろ……普通。」
「今の流れだと、サチコのことに決まってんだろ。」
「あ、そっちね……。」
なんて、惚けたふり。
須永のことはフェイクに過ぎない。
会津のことに関しては、まあ……元気な姿を見られただけで良しと納得している。
今更、何かに期待してたわけでもない。
結局、ひとことも話せないまま、タイムリミットが近づく。
「彰浩、俺そろそろ……」
「時間か?」
「ああ。手洗い行ったら、帰る支度するよ。最後まで付き合えなくて悪いな。」
「いや、来てくれただけで充分だ。皆、久しぶりに大ちゃんに会えて喜んでいたし。」
彰浩は、下手な社交辞令を口にするような性格ではない。
それは、俺自身が誰よりもよく知ってる。
「今度呑みに行く時は、サチコにも声掛けといてやるよ。期待して待ってろ。」
「……お気遣い感謝するよ。」
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