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自分自身に対して必死に言い訳していると、ソファーの軋む音と共に、会津がゆっくりと動く。
「気がついた?」
「あれ、私……」
「呑みすぎだって。あんなに吐くまで呑むなんて。」
彼女が起き上がろうとするので、俺は手にしていた冷たいおしぼりを渡しながら話しかける。
「あんなにって……えっ、まさか……だよね?」
「クリーニング代は、後で請求するから。」
どうやら記憶に残っていない様子。
汚れた服のことなど本当はどうでも良かったが、紙袋に入ったグレーのジャケットを指差しながら言った。
すると明らかに、しまった……と言いたげな表情を浮かべる。
「会津って、お酒弱いの?」
「うん、まあ……ってあれ? もしかして……新居?」
どうやら正気に戻ったようで、驚いたようにじっと見つめられる。
気づくの、遅すぎだろ。
「今更気付いたのかよ……。」
俺はここに来てから無意識のうちに、ずっとお前のことを目で追っていたのに。
その視線は一度も交わることはなかった。
それでも、嬉しそうに輝いた目で見つめられてしまったら、そんな小さな憂いは簡単に吹っ飛んでしまうんだ。
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