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会津の具合がマシになったので、俺は駅に向かおうとしたが、酔いさましに歩きたいと言った彼女に付き合うことにした。
素面ならまだしも、こんな状態で一人にするのは心配だったので、取り敢えずだ。
「大丈夫か?」
「さっきよりは随分良くなったよ。」
「水、飲むか?」
「……かたじけない。」
俺の飲みかけのペットボトルを、躊躇うことなく口にする。
高校時代なら、それは恋い焦がれるシチュエーションなのかもしれないが、流石にこの歳では何も感じない。
大人になるって、こういうことなんだな……。
「ごめん……全部飲んじゃった。」
「いいよ、残り少なかったし。」
「お水のお礼に、あとでチャイラテ奢ってあげる!すごく美味しいテイクアウトの店が、この近くにあるんだ。」
そう言いながら、俺に向けられる無邪気であどけない笑顔。
彼女といると優しい気持ちになれるのは、昔も今も変わらない。
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