12年越しの告白

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. って、俺は迂闊になにを口走っているんだ……!? こういう時、普段の会津なら明るく言い返してきそうなのに。 ポカンと間が抜けた顔をしながら黙り込むので、一瞬にして全身の血の気が引く。 冗談だと誤魔化して、穏便に雰囲気を和ませることもできただろう。 けれども、俺が彼女を好きだったのは事実だし、今も強く惹かれてしまう気持ちに嘘を吐きたくはない。 「……何で、黙るの?」 冷静さを取り戻し、なんとか声に出して問いかける。 「……冗談きついよ。」 「約束したじゃん。」 「何を……?」 「結婚しようかって……しかも会津から。」 「ええっ!? してないよっ!!」 「したよ。」 ― じゃあさ30になったら、会いにきてよ。 あんたの成功を一緒にお祝いしてあげる。 それでもし、独身だったら…結婚しちゃおうか。 想いを伝えることができずにいた相手に、そんなことを突然に言われて、簡単に忘れられるはずがない。 勿論、それが本気の口約束でなく冗談なことくらい、百も承知だ。 果たされる期待など微塵もないが、それに縋ることが、今の彼女に少しでも近づける手段なのだ。 .
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