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「年明けにでも、サチコ誘って飲みに行かねえ?」
俺と会津に起きていることなど知らない彰浩は、どうやら彼女との間を取り持ってくれようとしている。
もしかして、暇なのだろうか……。
「また吐かれたら困るから遠慮しておく。それよりさ……あいつの、連絡先知りたいんだけど。」
「交換しなかったのかよ!?」
「……悪いかよ。」
夜は訊ける状態ではなかったし。
朝も気持ち的に訊ける余裕などなかったし。
平然を装っているけど、俺だって結構いっぱいいっぱい。
少しでも、会津の気持ちに近づきたくて………。
「仕方ねえな、後でメール入れといてやるから……あ、じゃあ明日のことも知らない?」
「明日のこと……? 何かあるのか?」
今度は忘年会でもあるのだろうか……?
どうせ大した情報ではないと聞き流すつもりだったが、そうもいかなくなる。
「明日、確かサチコの誕生日だよ。」
「え……?」
「12月28日だろ? 前に彩夏が言ってた。」
大切な人の 、年に一度の特別な日だというのだから……。
彰浩が教えてくれたメアドに、躊躇うことなくメールを入れた。
今晩うちで待っている、と。
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