彼女の過去

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彼女の過去

. 土曜日の午後、紗智の実家に荷物を取りに向かう。 お義母さんは仕事で夕方まで留守にしているらしく、帰宅を待って結婚の報告をしようと、二人で決めた。 ちなみに俺の両親は、仕事の関係で日本を離れているため、入籍した日に電話で報告を済ませた。 結婚秒読みの雅兄を差し置いて、予期せぬ結婚報告だったので、流石に二人も相当驚いていた。 「大樹の御両親にも、早く会いたいな……。」 「暫くは帰れないんだってさ。でも、電話で話せて喜んでいたよ。紗智のこと気に入ったみたい。」 「そう? だったら嬉しいな……」 両親と電話で話した紗智。 どんな会話をしたのかは知らないが、とても楽しそうに話していたので、側から見ていて安心した。 まあ、俺が選んだ人なのだから、父さんと母さんも気に入ってくれるのは目に見えていた。 二人が帰国したら、紗智を連れて実家に会いに行かないと……。 .
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