7458人が本棚に入れています
本棚に追加
/393ページ
彼女の過去
.
土曜日の午後、紗智の実家に荷物を取りに向かう。
お義母さんは仕事で夕方まで留守にしているらしく、帰宅を待って結婚の報告をしようと、二人で決めた。
ちなみに俺の両親は、仕事の関係で日本を離れているため、入籍した日に電話で報告を済ませた。
結婚秒読みの雅兄を差し置いて、予期せぬ結婚報告だったので、流石に二人も相当驚いていた。
「大樹の御両親にも、早く会いたいな……。」
「暫くは帰れないんだってさ。でも、電話で話せて喜んでいたよ。紗智のこと気に入ったみたい。」
「そう? だったら嬉しいな……」
両親と電話で話した紗智。
どんな会話をしたのかは知らないが、とても楽しそうに話していたので、側から見ていて安心した。
まあ、俺が選んだ人なのだから、父さんと母さんも気に入ってくれるのは目に見えていた。
二人が帰国したら、紗智を連れて実家に会いに行かないと……。
.
最初のコメントを投稿しよう!