相々師匠

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白井さんは蒸籠を更に二枚追加されておられました。 「もうお腹いっぱいです」 と一人でお腹を擦りながら私たちの前を歩いておられます。 「そんなに食べると、甘いモノが食べられませんよ」 先生は白井さんの背中にそう仰いました。 白井さんは足を止めて振り返られました。 「甘いモノは別腹ですよ」 そう仰るとニヤリと笑って突き出たお腹をポンポンと叩かれました。 それを見て私と先生は苦笑しておりました。 先生が足を止めてカフェの看板を見上げておられます。 私は先生の顔を覗き込む様に見ました。 「このカフェがどうかなさいましたか」 私は先生に訊ねました。 「うん。どうやらこの店だな…」 先生はそのカフェの戸を開けられます。 どうやら珈琲を飲む店も決められておられた様でした。
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