相々師匠

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雨足はどんどん強くなって行きます。 「先程、君が私の傘が欲しいと言った時にふと思ったのです。私も敬愛する人に傘を贈られるより、その人の使っていたモノを頂く方が嬉しいだろうと」 先生の横顔は嬉しそうに見えました。 私はそんな先生を見て、顔を赤らめてしまいました。 「嬉しい言葉でしたよ」 先生はそう仰いました。 その後、家まで相々傘で先生と帰りました。 私は殆ど濡れていなかったのですが、先生の肩はびしょ濡れでした。 翌日から先生は夏風邪をひいておられました。
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