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「であるからして、魔法とは――」
「はぁ……」
授業内容を聞きながら、彼は大きくため息をついた。授業内容は魔法と人間の歴史について。一年の時にも少しだけ言われた内容であり、成り立ちを知ることで最新を知ることができるという講師の言葉から、長年続いている授業だ。
しかし、ランドルはこの授業も嫌いな授業の一つだった。
成り立ちを知らなくても魔法の威力は変わらないし、魔法は変わっていない偉大なものだということを細かく分けて説明されるだけだから。
くだらない高説を垂れるなら、一個でも魔法の使い方を模索すればいい。延々とそんな感情を持って空を見上げながらランドルは聞き流していた。
だけども、それを許してはくれない者がいる。
「ちゃんと聞く」
こつんと足をランドルの足を蹴って、注意するのはクレア・マッケンジー。ランドルの授業態度を少しでも良くさせようと、隣の席にまで行って注意していた。
「聞くはいいが、これに意味あるのかよ」
「授業だから、意味はある。黙って聞く」
「はいはい。聞いた俺が悪いですよー」
今日も今日とて、彼にとって地獄の時間が続いていく。これがあと半日近くも続くと考えると、ランドルの口から新しいため息がこぼれた。
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