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第十二章 嵐の予感 その3
望は相変わらず元気だったが、
前よりは少し大人っぽくなったかなと思う。
「アキ君、元気そうやん。ちょっとかっこよくなった?」
「そう?」
と言いながら、アキヒトはチラリとハルカさんのほうを見る。
「何?あの人と付き合ってるの?すごい美人やん。」
ニヤニヤしながら望が聞く。
「そんなんじゃねえよ。」
まだな、と内心付け加えながら、彼は言った。
「ふうん。」
望はそんなアキヒトの内心を知ってか知らずか
含みのある口調で返した。
今思えばこれが波乱の始まりだった。
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