第十二章 嵐の予感 その3

1/1
前へ
/24ページ
次へ

第十二章 嵐の予感 その3

望は相変わらず元気だったが、 前よりは少し大人っぽくなったかなと思う。 「アキ君、元気そうやん。ちょっとかっこよくなった?」 「そう?」 と言いながら、アキヒトはチラリとハルカさんのほうを見る。 「何?あの人と付き合ってるの?すごい美人やん。」 ニヤニヤしながら望が聞く。 「そんなんじゃねえよ。」 まだな、と内心付け加えながら、彼は言った。 「ふうん。」 望はそんなアキヒトの内心を知ってか知らずか 含みのある口調で返した。 今思えばこれが波乱の始まりだった。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加