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第十四章 遊び人アキヒト
アキヒトが望のシャンプーを終えて、ハルカの元へと誘導する。
「チーフ、よろしくお願いします。」
引継ぎの言葉を言い自分の持ち場に戻ると、
亀井店長に手招きされ、裏に呼ばれた。
「なあアッキー、お前ハルカの事どない思ってるの?」
「え?」
「あいつ、お前のこと好きやで。」
「そうですか?」
いつもハルカさんを見ている亀井店長がそう言うのだ
間違いないだろう。
かなり嬉しくてアキヒトはニヤけた。
「・・・・・・おまえ、そのアホ面他のヤツに見せるなよ。」
呆れたように言われる。
「あとさ、元カノとか連れてきて、あいつを試すような真似するな。」
「試す?」
目を丸くしてアキヒトが聞き返した。
「いや、あの子はたまたま連絡が来ただけで
なんとも無いですよ。
だいたい何人も付き合ってた子の中の一人だし・・・・・・。」
と、そこまで言ったあとで視線が突き刺さる。
「おまえ、何股かけとったんや?」
目が据わっている。
「いや、その・・・・・・昔の話っすよ。」
覚えちゃいない、覚えちゃいないのだが
4~5股くらいはかけていただろうか?
少々かっこよくてマメだとモテるのだ。
大阪ではこうも行かないが
九州の片田舎だと、勘違いした関白野郎が多いので
マメと言うだけでポイントが上がる。
ちょろいもんだった。
「ハルカはめったなことでは人に心を開かへん。
お前には心を開いてんねんからその話は黙っとけ。」
そこまで言った時、スタッフが店長を呼びに来る。
「岡田様、来られてますよ。」
「分かった、今行く。
アッキー今の話、本当にあいつにするなよ。」
念を押された。
「分かりました。」
当然である。
幻滅されるのは嫌だし、そもそもまだハルカさんは
自分の彼女でも何でも無かった。
店長の言葉に頷いたあと、アキヒトは持ち場へと戻った。
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