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第十九章 嵐のあとで
それからもう3日
必要最低限以外ハルカさんに口を利いてもらえなくなったアキヒトは
ガッカリ落ち込んでいた。
“他のヤツとは笑顔で雑談してるのに”
と思うと腹立たしい。
やっぱり望にキスをされたところを見られたから、だろうか。
でも、と彼は思う。
キスした現場を見て怒るということは、
あの人も俺に気があるに違いない!
そう思うと少しニヤけてきた。
“なんだ、可愛いじゃないか。”
自意識過剰なんかではない、と思う。
ちょっとした手ごたえを感じていた。
よし、明日は休みだ。今晩はっきりさせよう!
とばかりに彼は休憩時間、ハルカさんのもとへ行った。
「チーフ、帰りに話があるんですけど時間もらえませんか?」
真面目な顔で言うと、彼女はびっくりした顔をしたが、
黙って頷いた。
“よし、九州男児の意地を見せちゃるぞ。”
アキヒトは気合充分だった。
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