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第二十二章 告白
しょせん涙なんて、女が男に言う事を聞かせるための道具の一つ。
今まではそんな事を思っていたアキヒトだったが、
ハルカさんのこぼしたピュアな涙の雫が
彼の心を打った。
「ちゃんと言わなくて、ごめんなさい。俺、自信なくて。
ハルカさんは綺麗だし、すごい技術も持ってるし、モテるし。
俺なんかとは全然世界が違うから、
相手なんかしてもらえないと思ってました。」
正直に気持ちを伝える。
胸の内を吐き出すと、清々しかった。
「この間の元カノのことは本当にただの偶然で、
試したりとかしたわけじゃないです。
俺ずっと、ハルカさんのことしか見てません。」
「本当に?」
甘えたような口調で言われ、上目遣いで見つめられる。
“可愛い・・・・・・”
全身の血が逆流して、鼻から噴出すかというくらい
アキヒトは興奮していた。
「ハルカさんも俺の事好きだと嬉しいです。」
彼はそう言って、彼女をきつく抱く。
今度は瞳をそらされず、真っ直ぐに見られた。
至近距離で見つめ合っていると
心の奥底を覗かれている気持ちになる。
その視線に負けないように彼女をずっと見続けていると
ハルカさんから腕を伸ばしてきた。
そっと抱きしめられ、キスをされる。
「好きや、アッキーのことが。」
とうとう聞けたその言葉に、アキヒトの血液が沸点を越えた。
そのまま彼は、彼女を押し倒すと
深いキスへと移行していった。
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