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「なっちゃんとアリ先輩て、なんだか似ている?」
カレースパから意気投合して話を盛り上げ続けているなずなと和夫を見ていたら、思わず香夜子の口からそんな言葉が飛び出した。同じことを考えていた稔が吹き出した。
亜樹也は、それ言っちゃったら余計に意気投合して寛太が迷惑がりそうだと苦笑いを浮かべたが、向かいの寛太を見たらなんだか嬉しそうな寂しそうな複雑な顔をしていた。
なずなと和夫が感動を分かち合うように目を輝かせている。
押し付けることは好まない。ただこの子が好きで大切だと思う。ふたりともただそれだけ。
和夫はなずなが本当に香夜子のことが大好きなんだろうなと思ったし、なずなも和夫は香夜子のことが大好きなんだろうなと思ったら、ふたりの間に連帯感が生まれた。
寛太は自分もその中のひとりになりたいような、けれども少しふたりとは違うような、少し困った気分になった。亜樹也とも自分は違う。まあ、いいやとその時の寛太はあっけらかんと割り切ったつもりだった。
「キノちゃんの友達はみんな面白いね」
稔の言葉に、寛太と亜樹也があからさま過ぎるほど嫌そうな顔をした。なずなと同類にされたくない。稔はそんな反応が返ってくる気がしてわざと言ってみたのだった。稔も和夫と同類にされるのは親友でも嫌だ。
「ふたりとも顔に出てる」
香夜子が指摘すると、なずなが「ひどい!」と苦情を吐いた。
「会長、これと同類に括るのはあんまりです!」
寛太が稔にそう訴えると、なずなが欠かさず言った。
「わたしも! こいつとだけは一緒にされたくないです!」
「会長は」と言いかけた亜樹也に、稔が「嫌」と一言、万遍の笑顔で言った。
「……全員ひどいな」
自分ごとも含まれているのに、和夫は気にした風もなくそう言うと隣で笑っている香夜子を見た。
「香夜ちゃんはおれの味方だよね?」
擽ったそうに「もちろん」と言った香夜子に全員の視線が集まる。そうして慌てて香夜子は言い直した。
「わたしはみんなの味方、です」
一様な表情を浮かべて一様な感覚を覚えたものの、内心で思ったことはそれぞれだ。
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