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「でも.......」
「ドキドキするんでしょ?杉森見て」
「うん.......」
抱いてはいけない感情だと思った。
別に、タケと約束をしたわけじゃない。
でも、付けている腕時計を見るとタケとの思い出が蘇る。
この腕時計は、あたしが引っ越す時に「これでずっと傍に感じるだろ」ってタケがくれたもので、タケの腕にも同じものがついている。
「別に人の心なんて簡単に変わるんだよ?」
「光が言うとなーんか説得力があるんだよね」
「さすが、あたしだー」
自分で言っちゃう光だけど、実は恋愛マスターで、高校生の彼氏がいたりする。
同じ小学校の先輩だったらしいけど、年上の彼氏なんてさすがだなぁーって思ってる。
「でもさ、一目惚れなんて.......したことないし。恋って仲良くなって、好きになっていくものだと思ってた」
タケとは、そうだったから。
小さい頃からずっと一緒で、自然と好きになってた。
だから、一目惚れなんて、なんだか実感わかない。
それでも、この胸は正直だから、ドキドキしてしまう。
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