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「あ、もしかして.......」
自分の席に戻ろうとしたとき、杉森くんが思い出したように顔をあたしに向ける。
「.......え?」
「やしなって名前聞いた事あんなって思ったけど.......トラとしょったと同じクラスだった?」
「あ、うん」
トラとしょったとは1年生の時、同じクラスで仲がよかった。
「やっぱりな。あれだろ、しょったの.......」
「いや、それは、まぁ.......」
杉森くんが言おうとしてることはわかった。
しよったは、仲良くなった頃からずっとあたしのことをすきでいてくれる。
でも、あたしはしょったに友達以上の感情を抱くことができなくて、その気持ちに応えることができない。
しかも、それを杉森くんに言われるなんて、複雑すぎる。
「しょったはクラス違うな」
「うん。1組と6組ではじはじになっちゃった」
しょったの気持ちには応えることはできないけど、友達としては大好きだから、離れてしまったのは残念だ。
少しだけ、こうして杉森くんと話が出来たのは嬉しい。
でも、初めて話したし当たり前だけど、あたしのことをなんとも思ってないのがわかるから、悲しい。
これから、たくさん仲良くなれたらいいんだけど.......。
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