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俺がずっと一緒にいた時間よりも少し長く、絵里香といた兄ちゃん。
俺よりも絵里香に近くて羨ましかった。
そして、2人が中学に入ってから付き合い出したのを聞いた時も、驚きはしなかった。
「俺が先に生まれてたら.......」
なんて、考えてもどうしようもないことを考えてばかり。
いまさら、変わるものでは無いし、頭ではわかってる。
ふたりが付き合いだして、2年。
この先、ふたりが別れることもないってわかってる。
「また、喧嘩するかな.......ふたりは」
ふたりの喧嘩を願うなんて、おかしいってわかってる。
でも、ふたりが喧嘩してる間だけ、絵里香は俺のところにくる。
そんなの都合が良すぎるって、頭ではわかってるのに、俺のところに来てくれるのが嬉しくてたまらない。
ひねくれた俺の初恋は、拗らせすぎて正直ヤバい。
「.......帰ろ」
カバンを背負い、更衣室から出る。
体育館では、俺らの次の部活であるバドミントン部の練習が始まっていた。
「トラ、しょったの家にいるって言ってたし.......俺も行こう」
学校の目の前にあるしょったの家目がけて、歩く。
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