160人が本棚に入れています
本棚に追加
/307ページ
「おー、丈。部活終わったのか?」
しょったの家につくと、笑顔でふたりが出迎えてくれる。
「終わったからきてんだろー」
「そうだな、おつかれー」
ぐしゃぐしゃっとトラに髪の毛を撫でられる。
「おい、グシャグシャになんだろー」
「いーじゃん。別に誰にももう会うわけじゃねーだろ」
「あってんの俺らだしなー」
トラとしょったの空気感は、落ち着く。
「なんか、こーして3人で集まるの久々だなー」
「だなー、丈だけクラス違ったもんな」
小学生のときは、この2人とずっと同じクラスだったけど、中学に上がって俺だけクラスが離れた。
「なぁ、しょった。誰これ」
しょったの部屋のコルクボードに貼ってある写真。
見知らぬ顔が見えて、指をさす。
「俺らと同じクラスの女の子だよ」
「ふーん」
俺だけクラスが違うから、知らない子がいて当然だけど、なんとなく寂しさを感じる。
「やしなって言うんだよ。しょったの好きな女」
トラがコルクボードから写真をとる。
最初のコメントを投稿しよう!