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「よーし、行くよ。やしな」
急にまちゃがスクッと立ち上がる。
「え?どーしたの?行くってどこに?」
「トラのとこ」
「え?トラ?」
教室にいるトラを見ると、遊びにきていたしょったと何やら話している様子だった。
「トラと丈くん仲良いでしょ?」
「あ、うん。そうだね」
隣の席のトラのところに杉森くんが遊びにくる瞬間が、近くに来てくれた気がして嬉しい瞬間だったりする。
「だから、トラに頼もう」
「え?頼むって?」
あたしが首を傾げた時には、既にまちゃはトラのところまで行っていた。
「.......はや」
「まちゃは思い立ったらすぐ!だからね」
隣で光が笑っている。
「.......そうだね。そこがいいところなんだけどね」
「トラ!話そう!」
「え?なんだよ、急に」
突然のまちゃの勢いに若干引き気味のトラ。
「丈くん、呼んできてよ」
「はー?お前が行けよな」
「いいでしょ!ほら!」
「あー、めんどくせー」
まちゃの勢いに押されて、仕方なくという感じでトラが立ち上がる。
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