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「そうなの!あの先生怖いから、まじ感謝!!」
2週間くらい経った、昼休み。
教室のなかで、マシンガントークを繰り広げる女の声が響く。
「悠里(ゆうり)。相変わらずのマシンガンだな」
俺の隣でトラが笑っている。
「お前、マシンガンすぎだろ」
俺は1番前の席まで歩いて、悠里へと告げる。
「うわ、丈!うるさーい!」
悠里が俺のことをキッと睨みつけるけど、大して怖くない。
コイツは俺の母親の妹の子供。
つまりいとこってやつ。
同じ年で、同じ地域に住んでいるから、小さい頃からなんでも一緒だった。
「お前に睨まれてもクソほど怖くねーよ」
ポンっと悠里の頭を叩くと、ふと視線を感じて、横に目をやる。
「てか、丈とやしな同じクラスだったんだね!」
悠里と話していたのは、あのやしなって子だったようで、俺のことを気まずそうに見ていた。
結局、好きになりたいとか思ったくせに、俺は案外ヘタレなようで、1ミリも仲良くすらなれてなかった。
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