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「え!?やしなどうしたの!?」
悠里のそんな声が聞こえたとおもったら、次の瞬間にはあの子が教室から飛び出してた。
「なしたんだ?丈なんか言った?」
「言ってねーよ。なんも別に」
「俺、ちょっと様子見てくるな。多分行くとこわかるから」
トラが俺に片手をあげて、教室を出ていく。
「悠里、あの子どうしたの?」
「わかんない.......けど、丈が面倒って言ったあとかな.......急に泣き出して」
「.......え?」
それは、もしかして多大な勘違いをしているような気がする。
「どうしたんだろ。やしな」
悠里が心配そうな顔になる。
「俺のせいかもしれないから、見てくる」
悠里にそう言い残し、俺も教室を出る。
トラとは違って、行く場所なんかわかんないけど。
「面倒って意味全然ちげーよ。バカ」
多分、俺の好きな女が悠里だと勘違いしたんだろう。
で、仲良い子のことが好きなら、もう耐えられないと思ってしまったんだと思う。
そうじゃねーのに。
好きになろうとしてるのは、アンタなんだよ。
絵里香のことを忘れたいと、出来心で好きになろうとしたのに。
気がついたら、本気で好きになろうとしてる自分にビックリしてるけど、なかなか絵里香以外のことを好きになることを認められない自分もいる。
でも、どうしても誤解は解きたい。
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