勘違い=YASHINA=

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一人になりたいとき、よく来ている屋上に登る階段。 屋上はあいてないけど、屋上のドアの前は少し座るスペースがある。 引っ越して来た当初は、少しホームシックになったりして、来たこともあったけど、この学校に慣れた最近ではあまり来ることはなくなった。 「あれ、違うよ」 「え、トラ.......」 あたしの隣にトラが座る。 「丈の好きな女が悠里だと思ったんだろ?」 「.......え、うん」 杉森くんの言った「面倒」という言葉。 あれは、自分のことが好きな子と自分が好きな子。 その2人が仲がいいなんて、それは面倒だろうと思った。 すごく仲の良さそうなふたりだから、きっと悠里も杉森くんのことが好きなんだと思った。 悠里には違うクラスに好きな人がいるって聞いていたけど、名前は聞いた事がなかったから。 「全然違うよ。悠里のことを丈は好きじゃない」 「でも、悠里とあたしが仲がいいことを面倒だって言ってたもん。そりゃ好きな子と自分のことを好きな子が仲いいなんて面倒だよね」
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