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「もしかして、杉森のこと好きになったわけ?」
「え!?」
一目惚れなんて、ないと思っていたから、友達の光(ひかる)こ言葉に目を見開いてしまう。
「だってさっきから、杉森のこと目で追ってんじゃん」
「え、ただ.......ジャンプがすごい高いなぁーと思っただけだよ。すきになんて.......」
なるわけない。
「あ、そっかやしなには幼なじみの男の子がいるんだっけ?」
「うん.......タケがいるから」
あたしは、中学生になると同時に引っ越してきてこの中学に入った。
幼なじみのタケのことが大好きで、いまでも毎日メッセージアプリで連絡を取り合っている。
タケも同じ気持ちだって、信じているんだ。
「でもさー、引越してきてから1年も会ってないわけでしょ?その男の子だって他に好きな子がいるんじゃないの?」
「.......そんなこと、ないよ」
「だって、現にやしなは杉森に惹かれてるじゃん」
「.......っ」
光の言うことは間違ってはいなかった。
言う通り、あたしは杉森くんにこんな短時間で惹かれてしまっているから。
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