一目惚れ=YASHINA=

3/9

159人が本棚に入れています
本棚に追加
/307ページ
「もしかして、杉森のこと好きになったわけ?」 「え!?」 一目惚れなんて、ないと思っていたから、友達の光(ひかる)こ言葉に目を見開いてしまう。 「だってさっきから、杉森のこと目で追ってんじゃん」 「え、ただ.......ジャンプがすごい高いなぁーと思っただけだよ。すきになんて.......」 なるわけない。 「あ、そっかやしなには幼なじみの男の子がいるんだっけ?」 「うん.......タケがいるから」 あたしは、中学生になると同時に引っ越してきてこの中学に入った。 幼なじみのタケのことが大好きで、いまでも毎日メッセージアプリで連絡を取り合っている。 タケも同じ気持ちだって、信じているんだ。 「でもさー、引越してきてから1年も会ってないわけでしょ?その男の子だって他に好きな子がいるんじゃないの?」 「.......そんなこと、ないよ」 「だって、現にやしなは杉森に惹かれてるじゃん」 「.......っ」 光の言うことは間違ってはいなかった。 言う通り、あたしは杉森くんにこんな短時間で惹かれてしまっているから。
/307ページ

最初のコメントを投稿しよう!

159人が本棚に入れています
本棚に追加