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「それなら、いいよ。お前が行った方が喜ぶ」
「おう、行ってくる」
トラに片手をあげて、俺は階段を走って降りる。
「いつの間に.......か、本当にそうだよな」
俺はあの子のこと、いつの間にか気になってた。
いつもは絵里香のことばかり考えていたはずなのに、気がつけばあの子のことを考えるようになってた。
俺が、好きなのは絵里香だって、絵里香以外を好きになるとかありえねーって思ってたのに。
そんなのはただの強がりだったようで、考えれば考えるほどあの子でいっぱいになってた。
よーやく自分の気持ちを認められたのは、本当についさっき。
トラが追いかけようとしたときに、絶対に行かせたくないって思った。
あの子と俺の間できっと、想いの違いはあると思う。
俺は絵里香のことを完全に忘れたとは言いきれないし。
でも、想っても仕方ない人を思うより、あの子のことを想いたいって感じてしまったから。
もう、後戻りはできないと思う。
「好きなんだな、俺」
そう思えば、全部伝えたくて仕方なかった。
そんな簡単に伝えられるわけもないんだけど。
こーいうことは、初心者すぎるから、うまくなんてできない。
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