嫉妬=JYOU=

4/8

159人が本棚に入れています
本棚に追加
/307ページ
「それなら、いいよ。お前が行った方が喜ぶ」 「おう、行ってくる」 トラに片手をあげて、俺は階段を走って降りる。 「いつの間に.......か、本当にそうだよな」 俺はあの子のこと、いつの間にか気になってた。 いつもは絵里香のことばかり考えていたはずなのに、気がつけばあの子のことを考えるようになってた。 俺が、好きなのは絵里香だって、絵里香以外を好きになるとかありえねーって思ってたのに。 そんなのはただの強がりだったようで、考えれば考えるほどあの子でいっぱいになってた。 よーやく自分の気持ちを認められたのは、本当についさっき。 トラが追いかけようとしたときに、絶対に行かせたくないって思った。 あの子と俺の間できっと、想いの違いはあると思う。 俺は絵里香のことを完全に忘れたとは言いきれないし。 でも、想っても仕方ない人を思うより、あの子のことを想いたいって感じてしまったから。 もう、後戻りはできないと思う。 「好きなんだな、俺」 そう思えば、全部伝えたくて仕方なかった。 そんな簡単に伝えられるわけもないんだけど。 こーいうことは、初心者すぎるから、うまくなんてできない。
/307ページ

最初のコメントを投稿しよう!

159人が本棚に入れています
本棚に追加