159人が本棚に入れています
本棚に追加
/307ページ
「俺の事、好きなんじゃなかったのかよ」
こんなふうに言うつもりではなかったのに。
気がつけばこんなセリフを言ってた。
「.......覚えてたんだ。あたしが好きだって」
「忘れないだろ、普通」
あれからずっと鮮明に残ってるよ。
俺の事が好きだって頷いたときのこと。
「だって、ふーんって出ていったし。なかったことになってると思ってた」
「さすがになかったことにするほど、悪い性格はしてないはずだよ」
あれからは、どう対応したらいいのかわからなくて、避けてる感じにはなってしまったけど。
それでも、ずっと気にはしていた。
「その後、なんか避けられてるみたいだったから」
「ごめん、こーいうの慣れてなくて。どうやって接したらいいのかわからなかったんだ」
「モリーの言ってた通りだ」
「は?モリー?」
モリーってのは、小学校からの友達で、いまはたしか席替えでこの子と隣の席になったはず。
「うん、避けられてること話したらきっとどうしたらいいかわかんねーんだよって言ってくれたの」
「.......そっか」
最初のコメントを投稿しよう!