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──キーンコーンカーンコーン
俺の言葉を遮るように昼休みの終わりを告げるチャイムがなる。
「.......戻るか」
俺は言いかけた言葉をしまいこんで、教室に向かって歩き出す。
「はやくしねーと、先生きちゃうぞ」
立ち尽くしてる彼女をチラッとみて、そう声をかけてから教室の中にはいる。
きっと、言いかけた言葉が気になってるんだろう。
でも、まだ言いたくない。
きちんと、仲良くなってからにしたいんだ。
思わず言ってしまうところだった言葉。
「それなら俺と付き合えばいいじゃん」
きっと、喜んでくれるんだろうけど。
でも、ただの勢いだけで言うのは嫌だった。
なにをもったいぶってって思われてしまうかもしれないけど、俺は俺の言葉できちんと想いを伝えかった。
どうでもいい言葉では決してないから。
「ちゃんと距離縮めたい」
今の俺達はまだ、全然遠いから。
まだ、彼女の想いにも俺の想いにも自信が持てないから。
ちゃんと、2つの思いに自信が持てるようになったら、俺の言葉で伝えるよ。
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