好きなわけはない=YASHINA=

3/8

159人が本棚に入れています
本棚に追加
/307ページ
…………………………………………… 「やしなー、かーえろ」 部活が終わり、光と一緒に学校を出る。 「そういえば、最近杉森とは?」 「なーんにもないよ。全然話せないし.......」 杉森くんと少しだけ近づいたかと思った、昼休み。 あの日からまた話せない日々が続いていた。 あれから1週間。 あの日からまた話せなくなってしまって、すっかり遠い存在だ。 また、プリントを回すときとかに視界に入れるだけ。 ただ、それだけの関係にすぐに戻ってしまう。 あの日のことだって、一体なんだったのか分からずじまいでモヤモヤが募る一方。 「いつから話してないの?」 「1週間くらいかな。昼休みにいろいろあって.......」 「ん?なにがあっての?」 「あー、光休みだったような気がするわ」 たしかあの日は、すぐにでも相談したかったのにいなくて、寂しかったのを覚えてる。 「いろいろあって、あたしが逃げたくなった時に追いかけてきて、俺のこと好きなんじゃないのかよって.......なんで俺だけ苗字なのかって.......」 かいつまんで、この前のことを話す。
/307ページ

最初のコメントを投稿しよう!

159人が本棚に入れています
本棚に追加