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でも、今日本屋に寄ったときに、見かけてしまってつい手に取ってしまった。
パラパラめくってみると、漫画形式で読みやすそうで気がついたら買ってしまっていた。
「意外だねー。こーいうの読むなんて」
「俺だってビックリしてるっての」
「丈なら、あっさりと手にいれちゃうかとおもったよ」
「.......んなことできたら苦労しねーよ」
俺がそんな人間なら、絵里香のことだって手に入れてるだろう。
でも、絵里香のことを好きだってだけで満足して、なにも行動しなかったのは、俺だから。
「で?やしなちゃんとはどう?」
「どうもクソもねーよ。なんもねー」
「なんもって.......毎日メッセージ送ったりは?」
絵里香が机の上のスマホを指さす。
「.......まず、連絡先を知らねーし」
「は!?」
絵里香が「信じられない!」とでも言うような表情で俺の事をみる。
「しょーがねーだろ。俺だって自分がここまでチキンだったなんて、初めて知ったんだから」
絵里香のことを好きだったときは、既に兄ちゃんという存在がいたから、チキンとかそーいう問題でもなかった。
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