159人が本棚に入れています
本棚に追加
「.......え?」
絵里香の言葉にやしなちゃんが戸惑っているのがわかる。
「あたしと蒼くんが結婚して、丈とやしなちゃんが結婚したら、将来的には義理の姉妹になるんだから!」
絵里香がやしなちゃんの手をにぎりしめながら、ぴょんぴょんと跳ねる。
「な、何言ってんだ。あいつ.......」
絵里香の突拍子もない発言に、俺の頭は真っ白になる。
「け、結婚!?」
「何言ってんだ。まず、そーいう関係にもなってねーし」
やしなちゃんの戸惑ったような声にはっとなって、ふたりの間に入る。
「否定された.......」
「え?」
「はっ、なんでもない!そろそろ帰るね!」
一瞬暗い顔をしたけど、すぐに元の表情に戻って、カバンを背負い直す。
「暗くなったし、丈送ってやれば?」
兄ちゃんが俺にそう言ったので、俺も「そうだな」とやしなちゃんの隣に行こうとする。
「や、大丈夫!すぐですので!じゃあ!」
ペコッと頭を下げて、走り出す。
最初のコメントを投稿しよう!