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「なに、丈も噂信じてたわけー?」
モリーがはぁっとため息。
「まぁ、なんかすごい噂だったし、みんな知ってたから」
「いやー、普通は信じるか.......ってかまずは俺に聞けよな」
モリーが杉森くんの頭を叩く。
「そうだよな、ごめん」
「各班のリーダーは男女とも明日の放課後のリーダー会議に出席するようにー」
担任の声が聞こえて、杉森くんが「あ、俺だ」と呟く。
「あ、あたし!女子のリーダーです!」
この時ばかりは、リーダーになっててよかったと思った。
またひとつ、杉森くんに近づけるって思ったんだ。
「じゃあ、明日のリーダー会議よろしくな」
「うん、こちらこそ」
「あ、のさ.......これ」
杉森くんがあたしの手に持っているスマホを指さす。
「.......ん?」
「教えて欲しいんだけど。連絡とか取りやすいように」
「あ、うん!」
あたしは、メッセージアプリのQRコードを出して杉森くんに見せる。
「ありがと」
QRコードを読み取った、杉森くんが一瞬険しい顔になった気がしたけど、すぐに元に戻った。
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