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「ごめん、少し遅れた」
息を切らしながら、あたしと隣の席に座る杉森くん。
「大丈夫だよ。少し部活に顔出てきたんでしょ?」
「あぁ、少し時間あったら後輩の練習付き合ってたら時間過ぎてて焦ったよ」
ははっと苦笑いをする。
確実に、前よりも近くなった距離に心が暖かくなる。
勝手に告白をしたあの時よりは確実に心の距離が近いと感じれる。
「このプリントを説明すればいいのか?コース決めのときに」
「うん、そうみたい」
担当の先生の言葉を半分に聞いて、杉森くんと話しながら、プリントに目をやる。
「そういえば、全然関係ないんだけどさ」
杉森くんが思い出したように話し始める。
「ん?」
「あの、アイコンは誰なの?」
「アイコン.......?あぁ、あのアプリ?」
「ん」
昨日、杉森くんと交換したメッセージアプリのID。
あのアプリのアイコンは、まだ地元で好きだった幼なじみとのツーショットにしたままだった。
かえてしまうと、もう忘れてたと言っている気がして、変えれないままでいた。
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