159人が本棚に入れています
本棚に追加
「丈、おっせーよ」
集合場所に着くと、みんな既に着いていたようでもうすぐ出発時間になるところだった。
「集合場所めっちゃ近いからさ。のんびりしちまった」
俺の家から3分くらいでつくこの場所。
近ければ近いほど、遅刻しそうになってしまうもんだったりする。
「やしなちゃん、リーダーとしてよろしくね」
「うん、こちらこそ」
トラのすぐ隣にいたやしなちゃんに声をかけると、笑顔で反応してくれた。
この笑顔が好きだったりする。
好きな子のどんな顔も好きなんだけど、笑顔がやっぱり一番だ。
「丈は、やしなとうまくやれよ」
駅に向かってみんなで歩き出して、隣にきたトラにそう言われる。
「頑張りたいとは思ってるよ」
あの昼休み、やしなちゃんのことが気になってると打ち明けて以来、トラは気にかけてくれてる。
「丈がこんなにゆっくりだなんて思ってなかったなー」
トラが可笑しそうに笑う。
「俺だって知らなかったよ」
チラッとやしなちゃんを見ると、まちゃと光と並んで歩いていた。
最初のコメントを投稿しよう!