159人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺もさ、やしなって呼びたいんだ」
「は?.......んなの、勝手に呼べばいーだろ」
トラが呆れたような顔になる。
「他の子ならすぐ呼べるんだけどな.......全然呼べない」
まちゃとか光とか、ほかの女子もよく考えたら「呼んでいいよ」とかそんなやり取りをした記憶はない。
みんなが呼んでるし、俺もいつの間にか呼んでいた。
「はは、重症だな」
「だな。俺もビックリしてるんだ。絵里香のときは元々幼なじみだつたのもあってそーいうタイミングは全部過ぎてたけど.......普通に恋愛するのが俺は初めてだったんだなー」
「絵里香がお前の初恋なんだろうけど.......ぶっちゃけやしなが初恋みたいなもんに感じるな」
「うん、俺もそう感じてる」
もちろん、絵里香のことだってちゃんと好きだったし、実際はいまも気持ちがまったくなくなったわけじゃない。
でも、小さい頃からずっと一緒にいて、好きにならないはずなんてなくて。
そう考えたら、俺が自分から進んで好きになったのは、やしなちゃんが初めてだと思う。
最初のコメントを投稿しよう!