一目惚れ=YASHINA=

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何気なく、目をやると見たことのない男の子が座っていた。 「.......あ」 彼が机の上にポンっと置いたペンケース。 そこには「杉森」と書かれていて、思わず声が漏れてしまう。 「.......?」 あたしの漏らした声に反応して、ゆっくりとこちらを見る彼。 あの時は見えなかった顔がハッキリ目に入る。 この人が、杉森くん。 あたしが顔もよくわからず、バレーボールをしている姿にドキドキした相手。 「あ、光じゃん」 あたしへの視線から少しずらして、光を見つけると途端に笑顔なる。 「杉森。小学生以来だね」 光もそんな杉森くんに応える。 となりに座っているのが杉森くんだと認識した瞬間から、ドキドキが止まらない。 笑顔を向けられている光の事が羨ましくて仕方ない。 「あの、なにか用.......?」 ずっと杉森くんを見てるあたしに気づいたらしく、怪訝な顔をされる。 「あ、なんでもない.......」 慌てて、光へと視線をうつす。
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