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「うーん、これ可愛いなぁー」
電車が目的地に着いたあと、班ごとの行動になって、みんなで運河を歩いていた。
「こーいうのやしなが好きな感じだよねー」
運河に並べれられている露店の一角にあるアクセサリー店。
そこでやしなちゃんが気になるものがあったようで、しゃがんで見ている。
「あーいうのが好きらしいよ」
そんなやしなちゃんをみて、トラがコソッと俺に耳打ちをする。
「そうみたいだな」
あまり興味のないような返事をしつつ、俺の目はそのアクセサリーをじーっと捉えている。
いつか、プレゼントができるような関係になるのであれば、参考にしたいと。
「やしなー、どーすんのー?」
なかなか決められないやしなちゃんに、光が聞く。
「うーん.......お小遣い使いすぎるのもあれだしなぁ.......」
ここで買うかどうか頭を悩ませてるらしい。
「宿泊のお小遣いなんて、余るもんだろ。買っちまえよ」
トラがやしなちゃんの隣にしゃがむ。
俺だって、隣に行きたいしそうやって話しかけたいけど、そんな勇気はもちあわせてない。
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