12人が本棚に入れています
本棚に追加
私は和人と並んで歩きながら尋ねた。
「ねえ、和人はどうしていつも、私に親切にしてくれるの?」
私の問いかけに、和人は少し考えながら、
「幼馴染だから」
と、短く答えた。
やっぱり、私が期待するような答えは返ってこない。わかっていたこととはいえ、少し悲しくなってしまう。それでも私は、心のどこかで期待してしまう。
「ねえ、幼馴染だからってだけ?」
「それ以外に何があるんだよ」
和人はそう言ってそっぽを向く。まるで、照れ隠しでもするかのように。私は微かな希望に賭けて、冗談っぽく、
「例えば、私のことが好きだからとか」
と言った。
「バ、バカいえ!! そんなわけないだろう!!」
珍しく慌てた様子で和人が否定する。私はその慌て方に違和感を覚えた。
「もし、私が和人のこと好きだって言ったらどうする?」
「本気で言ってんの?」
和人の足が止まる。私も立ち止まり、和人の正面に立つ。
「うん、本気で言ってる」
私は和人を真っ直ぐに見つめながら言った。
「その告白が成功する確率はどれくらいだと思う?」
和人が私に尋ねる。
「70%」
少し考えてから私が答えると、
「今日の降水確率かよ」
と、和人は笑った。
最初のコメントを投稿しよう!