Rain

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 四時間目が終わって昼休みになると、すぐに和人が私の席の横に立って言った。 「どうしたんだよ、ぼんやりして。そんなに雨が珍しいか?」 「いや、そうじゃなくてさ。今日は傘を忘れて来ちゃって……」  私が答えると、和人は驚いて目を大きく見開く。 「まさか、降水確率10%でも傘を持ってくるお前が!?」 「うん。今日はちょっと寝坊しちゃって、朝からバタバタしちゃってさ」 「お前が傘を忘れるなんて珍しいことするから雨が降るんだよ」  和人は揶揄(からか)うように言う。 「そんなこと言ったって、忘れたものは仕方ないじゃん。だいたい、今日の降水確率は何%なのよ」 「70%だよ。さすがの俺でも傘を持ってきたぞ」  和人はそう言って笑う。だけど、降水確率70%だなんて知っていたら、私だって間違いなく傘を持ってきていた。全ては携帯電話のアラームが鳴らなかったのが悪いのだ。 「雨、やまないかなあ……」  私がぼやくと、 「天気予報じゃ、今日の午後はずっと雨だって言ってたぞ」  と和人が返してくる。
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