Rain

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Rain

 ちゃんと朝から天気予報を見てくれば良かった。私は教室の窓から外を眺めながら後悔していた。私は毎朝欠かさず天気予報をチェックする。そして、降水確率が10%でもあれば、必ず傘を持って出るようにしている。  ところが今朝は、目覚まし代わりにしている携帯電話のアラームがならなかった。どうやら寝ている間に電池が切れてしまっていたらしい。そのせいで、30分も寝坊してしまった。  おかげで朝からバタバタと登校の準備をして、朝食を掻き込んで家を出たものだから、天気予報のチェックができなかった。外に出ると、雲ひとつない青い空が広がっている。それを見た私は安心して学校に向かって走った。  学校に向かう途中、すれ違う人の何人かが傘を手にしているのが見えた。なんでこんなに晴れているのに傘なんか持ってるんだろう。私はそう思いつつ、少し嫌な予感がしていた。そして、その嫌な予感が見事に的中したわけだ。  三時間目が終わった頃から、空は分厚い灰色の雲に覆われ始めた。やがて、遠くのから雷鳴が聞こえ始める。あっという間に空は暗くなり、雨がバチバチと勢いよく窓を叩き始めた。  四時間目が始まっても、雨は一向に止む様子はなく、むしろ降り方が強まるばかりだ。私は頬杖をついて、思わずため息を吐いた。
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