欲しいもの

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欲しいもの

母(静香)と共に、赤いランドセルの女の子は手を繋いで歩いている。 私、立花 夕夏。 まだ中学一年生だ。 私には今欲しいものがある。 「ーーお母さん、欲しいものがあるんだけど、、」 誕生日が近いこのタイミングで話してみる。 「何がほしいの?」 母は笑った。 「ーー犬、、犬が欲しい」 思い切って言ってみると、母の目が少し険しくなった。 「ーー犬なんてダメよ」 お母さんは動物に冷たい。 住む家がなくて、寒そうに震えているネコを見ても、甘える犬を見ても、何も思わないのだろうか? 結局、私の欲しいものは却下された。 街を歩いていると、犬と一緒に散歩している人によく会う。 ーーいいなぁ。私もいつかあんな風に、、。 私は犬が好きなのに、お母さんは飼っちゃダメだと言う。 その原因は何なんだろうか? いつも不思議だった。 お母さんもいつか許してくれるだろうか?犬を飼う事をーー。
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