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一人アフターヌーンティーの楽しみ方
両開きの格子がある出窓には白いレースがかかっている。
天気のよい日は窓を開けそよそよと風がカーテンを揺らすのを見守りながらアフターヌーンティーを楽しむのが休日の唯一の楽しみとなっている。
いつからか、アフターヌーンティーでいただくお菓子や軽食は全て手作りすることが自分の中の約束ごとのようになっている。
本来、社交の場であるアフターヌーンティーだが一人で作り一人で食べる。そんな生活になって早数年経過していた。
平日は仕事の合間にメニューを考え、土曜日は買い出しと下準備。
日曜日の朝はワクワクして早起きしてしまう。
エプロンを身に付け、調理器具と材料をキッチンにだすと野菜や果物が踊り出すよう。
りんごは皮つきのままシナモンで煮詰めるか…皮もむいてジャムのようにするか…、
一週間悩み続けた結果、甘酸っぱそうで艶々と輝く紅玉を手にしアップルパイにしようと決めた!
皮つきのままスライスし、砂糖と香り付けのラム酒でコトコト。バターはたっぷり入れ最後にシナモン。
紅玉の美しさを楽しみたいから包み込むタイプではなく放射線状にりんごを並べ焼き上げる。
サンドイッチはどうしよう?アボカドのディップにボイルしたエビを足したもの、
少しガッツリしたものも食べたくなりかつを揚げカツサンド。ロース肉を重ねてミルフィーユ状にしたものだが、間に味噌を薄く塗り味に変化をつけた。
パンは前日のうちにポーリッシュ法で焼き上げた食パン。耳まで柔らかく時間が経過してもパサパサしないしアフターヌーンティーに向いている食パンだ。
ミニグラタンはサンドイッチにエビを使ったからラザニアにしよう。酸味を効かせて作ったミートソースにはきのこたっぷり。ほうれん草を湯がいたものを間に挟みチーズもたっぷりと。
忘れちゃいけないのがイングリッシュスコーン。プレーンと、今日はチョコレート味も作ろう。
何度も試行錯誤を加えて狼の口もバッチリ。
クロテッドクリームを添えて。
飾りつけは2段のスタンドにしよう。
フリル柄の白いディッシュ、下の段はグラタンとサンドイッチ。
上の段にアップルパイと別添えでバニラアイス。一週間前に作っておいた薔薇色の琥珀糖。
スコーンは別のかごに入れてあとは紅茶。アップルティーにしよう。ポットに茶葉とたっぷりのお湯。ティーカップはヘレンド。
さぁ、午後3時。ティータイムの時間だ。
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