屋上の天秤

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死ぬのは怖い。痛いのも怖い。 死にたくない、生きていくのもつらい。 どうしようもない二者択一を自身に迫った。 生物は本能をもって死を恐れるものだ。 では何をもって生を恐れるのだろうか。 それはきっと、”終わらないこと”なのだろう。  この生活が続く、そう思うだけで命がこれ程までに怖いのだ。 僕には勇気がない。いい意味でも悪い意味でも。 現状を打破する力が自分には無いと思えてしまう。 汗ばんだ手首に巻いた時計は、2時45分を指していた。 朝が来てしまう、3時になってしまう。 暑さとは違う汗がシャツをピタリと背に付けた。 鳩尾の上から込み上げる衝動、喉に閊えた願い。 孤独を知った時と同じ涙が、とめどなく溢れた。
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